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数字で振り返る2023日本海リーグ③
番外編・ドラフト

 先日開かれたNPBの新人選手選択会議(ドラフト会議)で富山GRNサンダーバーズの3選手を含め、独立リーグ勢の指名が史上最多の23人(支配下6人、育成17人)を数えた。3人を心から祝福するとともに各選手の足跡を振り返ってみる。

 ロッテから独立リーグ勢過去最高に並ぶ2位指名を受けた大谷輝龍投手はターム2初戦の6月25日に6番手で初登板初セーブを挙げ、9月24日の最終戦まですべて救援で14試合1勝1セーブ、防御率2.70の成績を残した。7月9日以降、1イニングを任された12試合すべてで三振を奪い、8月6日以降の8試合は無失点だった。規定投球回未到達ではあるが、奪三振率はリーグトップの13.50をマーク、被打率は2割ちょうどでリーグ5位だった。

 阪神の育成1位で指名された快(松原快)投手は4月29日の開幕戦から9月24日の最終戦まで、リーグ2位タイとなる26試合に登板した。失点したのは4月29日、5月13日、8月26日の3試合で、規定投球回には1回1/3届かなかったものの、防御率0.89はリーグトップ。大谷投手同様、全試合救援登板ながら、リーグ2位タイの5勝を挙げ、被打率1割5分7厘はリーグ3位。奪三振率も10.09で2桁を超えた。

 ロッテの育成3位で指名を受けた高野光海選手は全40試合中39試合に出場し、打率は2割3分3厘ながらリーグトップタイの5本塁打を放った。8死球もリーグトップタイで、8月11、12日に2試合連続で2死球を受け、13日が唯一の欠場だった。164打席で四球は10と少なく出塁率は3割1分7厘で、三振は62でリーグ最多となったが、打点22はリーグ3位タイで、長打率は3割8分4厘でリーグ7位だった。

 今季の様々な数字だけを見ても、3人とも特筆すべき特色があり、持って生まれた素質、才能に加え、努力を積み重ねてきたからこそ今回の結果につながったことは想像に難くない。ただし、これからは今まで以上に過程よりも結果が求められる。あえて厳しいことを言えば、それぞれに課題はあり、越えなければならない壁も高くなる。技術的なことだけでなく、単純に試合数だけみてもNPBでは2軍戦でも今季の約3倍、1軍戦だと約4倍になる。さらにプレッシャーをかけるわけではないが、日本海リーグ初のNPB選手であり、当リーグの存在意義を高めるためにも活躍を期待したい。心技体すべての面で成長した姿を見せてくれる日を心待ちにしたい。  (✕)