前回は防御率、失点、自責点に焦点を当てたが、今回は奪三振数・率を中心にみてみる。単純に三振を奪った数だけでみると、富山は294(投球回数353)、石川は327(同350)で、1試合(9イニング)で換算した平均値である奪三振率にすると、富山は7.50、石川は8.41で奪三振数・率ともに石川が上回る結果となった。
富山は勝った23試合では207回182個で奪三振率は7.91、負けた15試合では128回93個で奪三振率は6.54となり、より多く三振を奪えれば勝利に近付けたと言える。対して石川は勝った15試合では135回127個で奪三振率8.47、負けた23試合では197回183個で奪三振率8.36とほぼ差はなく、三振を奪うことがそれほど勝敗に影響しなかった。ちなみに引き分けた2試合(18回)では富山は19個で奪三振率9.50、石川は17個で奪三振率8.50。これだけを見ると、富山が勝つ確率が高かったと言えそうだ。
ターム別では、ターム1で富山は133回114個で奪三振率7.71、石川は131回139個で奪三振率7.49、ターム2で富山は130回95個で奪三振率6.58、石川は133回122個で奪三振率8.26、ターム3で富山は90回85個で奪三振率8.50、石川は86回96個で奪三振率10.05となり、ここでも奪三振数が勝敗に影響を与えた富山、直結しなかった石川という図式が成り立った。
先発投手と2番手以降の救援投手で分けた場合、全40試合で富山は先発陣が173回117個で奪三振率6.09、救援陣が180回177個で奪三振率8.85、石川は先発陣が194回2/3・180個で奪三振率8.32、救援陣が155回1/3・152個で奪三振率8.52となり、富山救援陣の奪三振率の高さはイメージ通りとして石川救援陣も引けを取らない数字を残していた。
勝敗別では、富山は勝ち試合で先発陣が108回74個で奪三振率6.17、救援陣が99回108個で奪三振率9.82、負け試合で先発陣が54回31個で奪三振率5.17、救援陣が74回62個で奪三振率7.54となり、前述の傾向が顕著となった。石川は勝ち試合で先発陣が81回81個で奪三振率9.00、救援陣が54回46個で奪三振率7.67、負け試合で先発陣が105回2/3・91個で奪三振率7.75、救援陣が91回1/3・92個で奪三振率9.07となり、救援陣が奮闘することよりも先発陣が三振を多く奪うことが勝つための条件の一つだったと推測できる。 (✕)