今季、「ピッチクロック」を導入した米大リーグ機構(MLB)の延長戦を除く1試合の平均時間は約2時間40分で、2022年より24分、21年より30分短縮した。NPBでも試合時間の短縮は積年の課題として挙げられており、当リーグにおいてもいわずもがなである。そこで今回は試合時間、投球数、与四球数についてみてみる。
当リーグの全40試合の平均時間は2時間59分30秒で辛うじて3時間を切った。全投球数は富山が353回で6020球、石川が350回で5974球、1試合平均では富山が150.5球、石川が149.4球とほぼ同じだったが、1試合平均の与四球は富山3.83個に対し、石川4.33個で球数との因果関係は見いだせなかった。
勝ち試合でみると富山の23試合の平均は試合時間が2時間59分3秒で投球数は143.7球、与四球は3.70個、石川の15試合の平均は試合時間が2時間56分44秒で投球数は142.6球、与四球は3.20個で、負け試合では富山の投球数が158.0球で与四球は3.87個、石川の投球数が154.2球で与四球は5.13個となった。引き分けた2試合の平均試合時間は3時間25分30秒で、平均投球数は富山が172.0球、石川は144.0球で与四球は富山が5.0個で石川は3.50個だった。
ターム別では平均試合時間がターム1は2時間54分16秒、ターム2が3時間1分20秒、ターム3が3時間4分36秒と徐々に伸びており、平均投球数は富山富山がターム1の154.7球からターム2で148.9球、ターム3で146.7球と減らしたのに対し、石川はターム1の145.2球からターム2で147.4球、ターム3で158.5球に増加した。平均与四球数は富山がターム1で4.60個、ターム2で3.13個、ターム3で3.70個、石川がターム1で4.33個、ターム2で3.87個、ターム3で5.00個となり、両チームともターム2で改善傾向にあったものの、ターム3で数値を落とす結果となった。
こうしてみると与四球数の少ないチームが勝利に近付き、投球数も減るという当たり前といえば当たり前の結果となったが、投球数の多寡と試合時間の間にはそこまで大きな影響は見受けられなかった。ただし、1試合約3時間の現状から2時間半に短縮しようと考えると、両チームの投球数の合計を300球ほどから250球にする必要があり、両チーム合わせて1試合平均8個の与四球を減らすことが一番の近道となるだろう。