前回までは投手成績を基に今季の戦いを見てきたが、今回は野手の成績が富山、石川両チームの勝敗に関わっていたのかを示していく。
全40試合のチーム打率は富山2割6分5厘、石川2割4分9厘、長打率は富山3割5分7厘、石川3割3分7厘、出塁率は富山3割5分7厘、石川3割3分8厘で、勝敗結果(富山23勝、石川15勝、2引き分け)同様、いずれも富山が上回った。
富山が勝った23試合では、富山が打率2割9分7厘、長打率4割1分1厘、出塁率3割9分4厘、石川は打率2割ちょうど、長打率2割6分1厘、出塁率2割9分6厘で、石川が勝った15試合では、富山が打率2割1分4厘、長打率2割8分2厘、出塁率2割9分6厘、石川が打率3割0分5厘、長打率4割3分3厘、出塁率3割8分4厘で、引き分けた2試合では、富山が打率2割7分1厘、長打率2割8分6厘、出塁率3割3分8厘、石川が打率3割3分3厘、長打率3割8分7厘、出塁率4割2分5厘。勝ったチームは打率が3割で長打率、出塁率はともに4割、負けたチームは打率が2割で長打率、出塁率は3割未満にとどまったことが分かる。
ターム別で見ると、ターム1で富山は打率2割6分0厘、長打率3割4分0厘、出塁率3割5分1厘、石川は打率2割3分5厘、長打率3割0分2厘、出塁率3割4分3厘で、こちらも勝敗結果(富山8勝、石川6勝、1引き分け)同様にそれほど差はなかった。富山5勝、石川9勝、1引き分けだったターム2では、富山は打率2割4分8厘、長打率3割1分5厘、出塁率3割4分0厘、石川は打率2割9分7厘、長打率4割1分1厘、出塁率3割6分8厘で石川が上回った。富山の10戦全勝だったターム3では、富山は打率2割9分7厘、長打率4割4分4厘、出塁率3割9分0厘、石川は打率1割9分4厘、長打率2割7分0厘、出塁率2割8分3厘で富山が圧倒した。
こうしてみると、前回までの投手がいかに抑えたかということよりも野手陣がどれだけ打てたかということが勝敗に直結しているようにみえるのは、いささか意外だった。もちろん、得点、失点には打つこと、抑えることだけでなく、四死球や盗塁をはじめ、失策、記録に残らないミスなど様々な要素が絡んでくることは承知しているが、やはり勝つためイコール相手より得点で上回るには、より多く出塁し、単純に打ち勝つことが必要ということだろう。次回は他の要素についてもう少し掘り下げてみたい。